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私たちの障害に関する常識は、根本から問い直されている。柴田保之

この真実をなかったことにするわけにはいかない

これまで障害が重いために、言葉の獲得以前の発達段階にあると考えられたり、簡単な言葉しか発したり理解することができないと考えられていた方々が、実際には豊かな言葉の世界を有しているという事実を、私は、広く世の中に訴えたいのです。

それは決して例外的な出来事ではありません。私の経験に照らす限り、そうした方々のほとんどすべてに当てはまる事実です。彼らに真摯に付き合ってきた人ほど、その事実は受け入れがたいことでしょう。しかし、この真実をなかったことにするわけにはいかないのです。

おそらく、私たちは、私たちの障害に関する常識を、根本から問い直されていると言っても過言ではないでしょう。そして、この事実を広く世の中が受け入れるようになったら、障害児、者に対する医療も福祉も教育も、その姿を一変せざるをえないでしょう。

国学院大学人間開発学部初等教育学科教授 柴田保之

プロフィール

柴田保之(しばたやすゆき)
1958年大分県生まれ。国学院大学人間開発学部初等教育学科教授。
1981年東京大学教育学部教育心理学科卒業後同大学院を経て、1987年4月から国学院大学に勤務。障害児教育を学ぼうと進学した教育心理学科の授業で、重複障害教育研究所を設立した中島昭美先生の講義に出会い、以後、先生のもとで重度重複障害児の実践的研究に携わる。先生のもとで障害の重い人たちの自発的な活動を生み出すために自作教材を介した関わり合いを行う中で、しだいに障害の重い人たちが豊かな言葉の世界を有していることに気づかされてきた。
また、1981年より、町田市障害者青年学級で知的障害のある人たちと関わり合い、地域の中で主人公として生きることを目ざして活動してきたが、最近になって、重度の障害のあるメンバーをきっかけにして、多様な障害のあるメンバーの内なる言葉を聞き取ることができるようになり、より本当の気持ちをもとにした活動(きんこんの会など)を展開できるようになってきた。

◆「きんこんの会」とは…   きんこんの会の記録ページ
重度の障害のあるメンバーの内なる言葉を柴田先生が聞きとることで、メンバーが話しあったり交流したりする会です。
きんこんの会の開催は、不定期ですが1~2ヶ月に1回程度、国学院大学たまプラーザキャンパスの410番教室で開催しています。参加は自由です。開催日程はブログにてお知らせしておりますので、ぜご参加下さい。
  ◇国学院大学たまプラーザキャンパス
  〒225-0003 神奈川県横浜市青葉区新石川3-22-1
  東急田園都市線「たまプラーザ駅」南口から徒歩約5分

   きんこんの会の記録ページはこちらです

◆著書

「みんな言葉を持っていた―障害の重い人たちの心の世界 」柴田 保之 オクムラ書店 (単行本 - 2012/2) ¥ 2,520

◆ホームページ

http://www2.kokugakuin.ac.jp/~yshibata/
◆ブログ「関わり合いの場から」
http://blog.zaq.ne.jp/yshibata1958/